昨今ではこれまで以上にビジネススタイルのカジュアル化が進行しています。また、リモートワークの推進により出社回数が減っているという方も多く、オフでも活用できる汎用性の高いカジュアルシューズが人気を博しています。
ジョセフ チーニーのコレクションの中では、ミリタリーシューズ「CAIRNGORM Ⅱ R(ケンゴン Ⅱ R)」やカントリーシューズ「AVON C(エイボン C)」がとくに好評。その流れで「グレインカーフ」を使用した他のモデルも改めて注目されています。この革は表面に大粒のシボがあり、傷や汚れ、水濡れにも強いのが魅力です。また、タフだからこそ末長くエイジングを楽しむことができるという理由で選ぶ方も多いです。
今回はグレインカーフのモデルを所有されている方々から愛靴をお借りし、エイジングサンプルとしてご紹介。十人十色の育て方による、経年変化の個性をお楽しみください。
BURGUNDY
ワインの名産地、フランスはブルゴーニュ地方がネーミングの出自といわれる「バーガンディ」。赤みがかった茶系色には品があり、実際に英国の軍靴に採用されていた歴史もあります。代表モデルは、ミリタリーシューズ「ケンゴン Ⅱ R」。バーニッシュ加工が施され、色の濃淡がアンティーク感を演出しています。
NAME:CAIRNGORM Ⅱ R
YEARS:1YEAR
「週に4日は履いている」というだけあり、すでに持ち主の足型に沿った履きジワが良い味を演出しています。手入れは一ヶ月に一度、ブラウンのクリームを塗布。幅のある平紐に替えることで、よりカジュアルな印象に。
NAME:CAIRNGORM Ⅱ R
YEARS:3YEARS
手入れはせずにガシガシ履くことにより、グレインカーフの色ムラが強まり、アンティークのような雰囲気を放っている一足。新品状態時よりも暗めの色素が抜けたことで、明るい赤茶色に変化しているのも印象的です。
NAME:CAIRNGORM Ⅱ R
YEARS:5YEARS
週に一日のペースで、大切に履かれてきた一足。四ヶ月に一度、ブラウンのクリームを塗り込んで育てたことで、新品時のプレーンな状態から深みのあるカラーに変身。履きジワやコバの擦れが、味を感じさせてくれます。
NAME:CAIRNGORM Ⅱ R
YEARS:7YEARS
月に一度、バーガンディのクリームを塗布し、さらに二週に一度、ブラックのワックスで磨き上げるというマメなケアで育てられた一足。7年という愛用歴を感じさせないほどレザーの状態が良く、美しい光沢を放ちます。
NAME:PENNINE Ⅱ R
YEARS:7YEARS
グレインカーフの雰囲気を存分に味わうことができるミリタリーブーツ「ペナイン Ⅱ R」。ブーツならではのレザーのヤレ感が味を感じさせます。ニュートラルのクリームにより、自然な色ムラ感が出ているのも魅力。
NAME:CAIRNGORM Ⅱ R
YEARS:8YEARS
あえて手入れをせずに、週一日のペースで履き込んだという潔い一足。シボが薄くなり色ムラのあるトゥや、コバのフェード感、大胆な履きジワなどがミリタリーシューズらしい無骨さと男らしさを感じさせてくれます。
NAME:CAIRNGORM Ⅱ R
YEARS:8YEARS
元のバーガンディカラーを忘れさせるほど、大きな変身を遂げたシックな雰囲気の一足。その秘訣は、月に一度ダークブラウンのクリームを塗り込むこと。まるで本物のアンティークのような色合いが個性を放ちます。
NAME:CAIRNGORM Ⅱ R
YEARS:29YEARS
29年間、週に数回履き続けているという正真正銘のヴィンテージシューズ。ナチュラルカラーのクリームで月に一度手入れを行うことで、革の状態を良好にキープ。歴史を感じさせる深みのあるカラーに仕上がっています。
バーガンディは雰囲気のある色合いだからこそ、年数以上にエイジングを楽しめるカラー。クリームの色選びにこだわり、赤みを強めることやシックなダークブラウンに育てるのはもちろん、過度に手入れをせず、革の変化を楽しんでいるという方も多くいました。
BLACK
冠婚葬祭でも使用されるスマートカラー「ブラック」。アスファルト道路やコンクリート造のビルなど、グレーカラーが多い日本の景観と相性が良く、都会的な印象を与えてくれるのが魅力です。写真はサイドゴアブーツの「ブレコン」。20AWより登場した新モデルで、グレインカーフの魅力を存分に味わうことができます。
NAME:PENNINE Ⅱ R
YEARS:1YEAR
レースアップブーツらしいレザーのヤレ感が、個性を感じさせる一足。まだまだ愛用歴は浅いものの、季節に一度ニュートラルのクリームを塗布して磨くことで、グレインカーフの表面に自然な光沢が生まれています。
NAME:CAIRNGORM Ⅱ R
YEARS:2YEARS
週に二回のペースで履き込んだ一足。紐やコバのフェード感が、愛用歴以上にアンティーク感のある雰囲気を放ちます。手入れは二ヶ月に一度、ブラックのクリームを塗布することでレザーの色合いに深みを出しています。
NAME:CAIRNGORM Ⅱ R
YEARS:6YEARS
ミリタリーシューズながら、上品な佇まいを感じさせる一足です。ドレスシューズに使われる平紐に替え、トゥに薄くポリッシュをかけることで品のある顔つきに。手入れは、三ヶ月に一度ブラックのクリームを塗布。
NAME:PENNINE Ⅱ R
YEARS:7YEARS
季節を問わず、週に一度履き続けているという一足。革のシワやシボの伸びなど、随所に経年変化がありながらも全体的に光沢があり美しい状態を保っています。オリーブグレーの平紐に替えたことで、軽やかな印象に。
ブラックは履く方のライフスタイルに合わせて、カジュアルにもドレスにも履きこなせるカラー。もともとの重厚な印象を生かして無骨に育てるのも素敵ですが、紐を平紐に替えたりポリッシュをかけることで、ドレッシーに履きこなしている方もいました。
ALMOND
英国には数多くの茶色が存在しますが、ジョセフ チーニーの代表的なカラーとして採用されているのが「アーモンド」。カントリーコレクションと相性が良く、自然に溶け込む爽やかな色合いが魅力です。代表的なモデルは「エイボン C」。グレインカーフにはアンティーク感を演出するバーニッシュ加工が施されています。
NAME:AVON C
YEARS:0.5YEAR
半年間、週三日履き込んだ一足。まだまだグレインカーフ特有の大粒のシボが綺麗に残っています。手入れは二ヶ月に一回のペースでニュートラルのクリームを塗布。元の濃淡を生かしたシックな表情に仕上がっています。
NAME:CAIRNGORM Ⅱ R
YEARS:7YEARS
トゥとヒールまわりにはブラックのクリームを塗布し、そのほかのアッパー部分にはブラウンのクリームで手入れをした個性派。濃淡が美しいグラデーションになり、ナチュラルで味のある経年変化を体現している好例です。
NAME:AVON C
YEARS:8YEARS
手入れをせずにガシガシ履き続けたという一足。もともとのカラーと比較すると、全体的に赤みのある濃いブラウンカラーに育っています。コバのフェード感と相まって、よりアンティーク感を感じさせる顔つきに。
アーモンドは新品時の色味が薄いということもあり、経年による変化をもっとも強く感じることができるカラー。だからこそクリームのカラーで遊ぶことができるので、たとえば、濃淡をつけてグラデーションにエイジングするなど、幅広く楽しむことができます。
今では希少になったカラー「マホガニー」
ジョセフ チーニーでは、モデルとの相性や時代の変化に合わせて展開色を変えることもあります。たとえば、昨今主流となっているのは「バーガンディ」ですが、それ以前にはいくつかのモデルで「マホガニー」というカラーを展開していました。バーガンディよりも赤みを抑えた明るいブラウンカラーで、現在では「HOWARD R(ハワード R)」というモデルや英国の高級紳士服・アクセサリーブランドである「ドレイクス」とのWネームのモデル等に使われているカラーです。